元従軍慰安婦問題-2-

2.【強制連行】の意味について

 ところで戦時下、国家総動員法の下では、少しの国策批判でも直ぐ非国民とか逆賊呼ばわりされ、憲兵に連行されたりもした。 赤紙一枚で万歳三唱し必ずしも望まない戦地に出征もした。 戦地では上官命令には絶対服従軍紀が乱れない為、違反者には死に至る様な厳罰もあったと聞いている。 それを拒否する選択肢はなかった。 でも日本人はそれを【強制連行】とは言わない。
  しかし日韓併合で、『下等人種』と蔑視され面従腹背朝鮮人の立場ではどうか?  『それが【強制連行】でない』と形式で言えば、日・韓の話合いはまとまらないだろう。
       
 日本の人権擁護家は、従軍慰安婦問題を、『性奴隷』と女性の人格無視の極限の様に訴える。 しかしそれには大きな問題がある。 つまり、(慰安婦問題のみに)視野を狭めることにより、それよりもっと残酷な悲劇が隠されてしまうことである。
 私は、偶々30年前には韓国で仕事していたので、複数の韓国人から直接体験談を聞いた。 彼らの屈辱たるや、朝鮮半島の中で、韓国人は全て下等人種として差別され、日本兵に反抗すれば暴行されたり、連行されて帰って来ない人の話も・・・聞かされた。 しかし日本人の帰還兵や軍関係者は、現地でどんなことをしていたのか・・・?頑なに黙して語らない。

 証拠能力はなくても、テレビドラマなどで日本兵の暴行や強姦などに反抗して暴行されたり、子連れで崖下に身を投げるシーンに信憑性が感じられて拭えない。 日本の総理大臣は、『そんなことは架空ドラマに過ぎない、絶対にあり得ない』と公言できるだろうか?・・・。
 所が、当時のことを頑な語らなかった日本の帰還兵の一部が、90歳を超え余命が覚られる頃に漸く、NHKテレビのドキュメンタリーでは、『現地で扱いに困った捕虜に対して、上官から銃剣訓練や、処刑を命令され・・・』と、息を詰まらせながら、長い間の黙秘に耐え兼ねた心境を語るのに胸が詰まる。
          ( 全文を見る; ”私の歴史観” )